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人間万事塞翁が鹿

京都芸術センターでのコンサートで見た4基の音響彫刻。それだけで頭の中はいろんな音がメリーゴーランドのように駆け巡り、早く和太鼓とコラボレーションしたいぃぃぃ!と益々回転数が上がる私。音響彫刻の持ち主である大阪府の関係者の方とお話すれば、猫と!(にゃんと!と読みます。)大阪万博記念公園の鉄鋼館(エキスポ’70パビリオン)にはまだ一基デカいのがあると言う!(正確には12基か?)これはもう観に行くしかない!と後日、現地の下見を兼ねて鉄鋼館へ行った。1Fホワイエの広い空間に赤白黒の反響コーンが目立つ川上フォーンとシルバーに輝くクリスタル・バシェ(高木フォーン)が目に付いた。そして受付の横にそびえ立つように並んでいる池田フォーンを発見!繊細な高木フォーンと比べ、3メートルほどの巨体が12基と、とても豪快なやつだ!こんなものどうやって、いったい何人がかりで演奏するのか、、と呆気に取られた。でも、この12基を一人で激しく踊るような演奏をすればカッコイイだろうなと思った瞬間、一人の人物が頭をよぎった。

スティーヴ エトウ。

ってまさか!古くはPINKやCOMPLEX、布袋寅泰など、昔から活躍を知っていて私にとって雲より高い鯉のぼりのような存在であり、こんな私と演奏など、、、と引っ込み思案になりかけたが、人生後悔しないように生きようと、ダメ元で「カクカク、鹿鹿なんですが、、、」とオファーした。

すると猫と!引き受けてくださるという御返事があああぁぁぁああ!!!

これはもう、渡りに船と言うより、渡哲也にライフルとヘリコプターと言うべきだろう。

とまあ、イベントの企画が通るまでは話がトントンと進んだわけではありませんが、一言で言えば「人間万事塞翁が馬」ですね。苦労した分、嬉しさもあり、勉強にもなった。

​実は鉄鋼館は音楽家の武満徹と芸術家の岡本太郎が関係した凄い建物なのです。バシェ音響彫刻を使用して音楽を奏でると同時に、ホワイエの広い空間を活かして何かアート作品を展示できればと作家さんに話を持ちかけました。すると最初に話をした造形作家の坂本実十里さんがやりますと即答してくれ、猫と!(今回三度目!)父であり作家だった坂本昌也さん(世界が認めた前衛美術グループ「具体」の一員)も当時作品を展示をしていたと判明!

1970年3月14日大阪万博が開幕。具体美術協会は「万国博美術展」への出品、みどり館エントランスホールにおける「グタイグループ展示」などを行う。同年8月31日から9月2日まで、万博会場「お祭り広場」において「具体美術まつり」を開き、大規模な舞台を光やパフォーマンスによって行った。

ロシアで修行を積んだ画家、松島純さんは東京からの参加。多忙な所、フランスから帰ったその日に夜行バスに乗って大阪へ、下見にやってきてくれました。そして、その日の夜行バスで帰られました。(何というタフさ!)

大きな作品が好きだという画家の與倉玲さんも下見を経て参加を決めてくれました。

これら3人のアートがどんな大きさで飾られるのかすごく楽しみなイベントでもある。

この3人が決まった時はスティーヴ エトウさんの出演はまだ決まっておらず、もちろんスティーヴさんが大阪万博や太陽の塔など岡本太郎の大ファンであることなど全く知らない私なのであった。

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